紅い血-Red blood-




「わたくしはマリア様に仕えるリリです。
わたくしはマリア様に忠誠を誓った身、記憶が無くともわたくしはマリア様に使えるおつもりです」




わしを見ながらそういった幼き少女。




「マリアとは....わしの事なのか?」




「左様でございます」




わしがマリアなのか?




何も分からぬ。




わしがマリア何だとしたら、何故、わしはわしがマリアだと知らない?


何故、わしに使えているらしい少女を知らない?




何も分からぬ。





思い出せぬ。




「......うっ」




頭が割れる様に痛い。




分からぬのじゃ。



何も。






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