紅い血-Red blood-
「....あいつの記憶は」
「言えませんわ
わたくしはマリア様の事は大体お伝えする事が出来ませんの」
たとえ、マリア様の記憶が無くても。
「どうしてだ」
「主であるマリア様の命だからです」
「.....記憶を無くしてもか」
「......記憶を無くしてもです。
......それが、主の命ならば。
........貴方なら分かるでしょう?
............メイドさん」
主の命がどれ程のものか、それは仕えるものにしか分からないもの。
「.......お前ら、あいつの記憶が戻るまで、この屋敷にいろ」