紅い血-Red blood-
「こいつを屋敷に運べ」
「...蓮様?
正気ですか?」
今日は本当に珍しい事が良く起こる。
他人に無関心な蓮様が少女の存在に気付いただけでなく、屋敷に運べとまで言ったのだ。
普通なら少女の存在に気付きもしない筈なのに。
「...いいから、運べ」
「承知しました」
少女に触れるとその肌の色通りに冷たかった。
色だけでなく、体温さえも雪の様だ。
それが少女がどれ程外で倒れていたかを物語っている。
「蓮様、この少女長い時間倒れていた様です。
息はありますが、早めに温めた方が良いと思われます」
「霧に部屋を暖かくする様に伝えろ。
後、風呂も湧かさせろ」
「かしこまりました」
やはり、今日は珍しい事尽くしだ。
私は少女を抱きかかえながら、屋敷にいる霧に伝言を伝えた。