天神学園高等部の奇怪な面々23
普段は隠している鴉天狗の証、黒い翼。

人外として、妖怪として、本来は隠し通さねばならないものだが、幸い天神学園は人外など珍しくもない珍妙な学び舎だ。

誰かに目撃された所で問題はあるまい。

「じゃあな遊里、飯は別の誰かと食うんだな」

大きく羽ばたきながら屋上から飛び立とうとした鷹雅は。

「おわっ?」

遊里に足にしがみ付かれた。

「馬鹿、何やってる!」

「OK、鷹雅君飛んでぇ」

ニコニコ笑いながら言う遊里。

「一回でいいから空中散歩ってしてみたかったんだよ。その辺一周してみて」

「何言ってんだ!落ちたら只じゃ済まねぇぞっ!」

「えー、鷹雅君、私一人持ち上げて飛べないほど非力なのぉ?ガッカリ…」

「馬鹿言え!お前なんざ余裕だよ!マッハで飛んでやるぜ!」

「流石!鷹雅君GoGo!光の速さで行ってみよう!」

「ふざけんな!放せ!」

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