女の隙間、男の作為
そしてこの時点で松岡祥平なる男のことなどさっぱり興味はなく、むしろ結城が二人に増えてめんどくさいくらいにしか思っていなかったし、ランチタイムに瑞帆から詳細の情報をもらってもそれは同じだった。
つまりあたしより3つだけ年上でその上独身で結城とは微妙に種類の違う“やり手”営業マンらしいということ。
「ふーん。でもなんで瑞帆がそんな情報知ってるの?
あんたそういうミーハー要素は薄いでしょ」
「拓海の同期らしいから」
「あぁなるほど」
拓海とは瑞帆の最愛の伴侶の名前である。
瑞帆とは入社当時からいちばん仲が良いのでもちろんあたしも彼のことはよく知っている。
堅実な瑞帆が選んだだけあって商社マンの割には誠実で真面目な男。
(そしてあたしはまったくタイプじゃない)
「別にあたしがアシスタントするわけでもないしどうでもいいけど。
瑞帆がやりにくくなければそれでいいんじゃない?」
“カノって本当にこういうことはドライだよね。
後輩の女の子達なんてさっそくランチに群がってたのに。
上株キター!って”
「それって昨日まで結城ファンだった子達?」
「そう。類は何とやらで既に松岡結城のツーショットが喫煙スペースで出来上がったらしい。あれは相乗効果で女の子が群がるんじゃないの」
「うわー結城の得意気な顔が目に浮かぶ!めんどくさい!」
「でも売上いいから嫌いじゃないんでしょ」
「もちろん(はぁと)。営業部は数字が命ですから」
タイプは違えど気が合う。
それが友人ってやつだとあたしは思っている。
だから瑞帆とも仲を違えることなく過ごしているし瑞帆がいるから転職を考えずに済んでいるのだろう。
コイツが後ろの席から居なくなったら、あたしは間違いなく転職を考える。
だからまだ子作りはしないで、と自分勝手なお願いをしていることも事実だ。
(もちろん瑞帆はとりあってくれないけれど)
つまりあたしより3つだけ年上でその上独身で結城とは微妙に種類の違う“やり手”営業マンらしいということ。
「ふーん。でもなんで瑞帆がそんな情報知ってるの?
あんたそういうミーハー要素は薄いでしょ」
「拓海の同期らしいから」
「あぁなるほど」
拓海とは瑞帆の最愛の伴侶の名前である。
瑞帆とは入社当時からいちばん仲が良いのでもちろんあたしも彼のことはよく知っている。
堅実な瑞帆が選んだだけあって商社マンの割には誠実で真面目な男。
(そしてあたしはまったくタイプじゃない)
「別にあたしがアシスタントするわけでもないしどうでもいいけど。
瑞帆がやりにくくなければそれでいいんじゃない?」
“カノって本当にこういうことはドライだよね。
後輩の女の子達なんてさっそくランチに群がってたのに。
上株キター!って”
「それって昨日まで結城ファンだった子達?」
「そう。類は何とやらで既に松岡結城のツーショットが喫煙スペースで出来上がったらしい。あれは相乗効果で女の子が群がるんじゃないの」
「うわー結城の得意気な顔が目に浮かぶ!めんどくさい!」
「でも売上いいから嫌いじゃないんでしょ」
「もちろん(はぁと)。営業部は数字が命ですから」
タイプは違えど気が合う。
それが友人ってやつだとあたしは思っている。
だから瑞帆とも仲を違えることなく過ごしているし瑞帆がいるから転職を考えずに済んでいるのだろう。
コイツが後ろの席から居なくなったら、あたしは間違いなく転職を考える。
だからまだ子作りはしないで、と自分勝手なお願いをしていることも事実だ。
(もちろん瑞帆はとりあってくれないけれど)