リクエストを基にした・【Kiss】シリーズ 『甘々』・6
「…この先に海に面した公園がありますので、そこでお話します」

「うん」

そしてわたし達は公園にやって来ました。

今日は天気が良いので、人も多いです。

人のいない所を目指して歩くも、会話はありません。

やがて海が展望できる場所にたどり着き、そこには誰もいませんでした。

「わぁ…! 今日は海がキレイに見渡せますね」

「だね。ここ、良い穴場みたいだ」

お兄さんと並んで、しばらく海を眺めていました。

けれど…言いたいことが、あります。

「あの…ご相談のこと、ですが」

「うん? 何かな?」

わたしは大きく息を吸い込み、そしてお兄さんの顔を真っ直ぐに見ます。

「恋人、やめませんか?」

「えっ…」

「幼馴染の関係に、戻りませんか?」

「どう…して」

お兄さんは心底驚いた顔をします。

…でもわたしは決めました。

「疲れて…しまったんです、わたし。幼馴染であった頃の方が、楽しくて良かった…。今はもうただ苦しくて、辛いだけなんです」
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