リクエストを基にした・【Kiss】シリーズ 『甘々』・6
恋人となってもう2年以上、仲は発展しませんでした。
最初はわたしを大事にしてくれているとも思いましたが…わたし自身、もう限界です。
「…他に誰か、好きな人ができた?」
「いいえ。わたしは今でもお兄さんが一番好きです。大好きです。でもっ…もうイヤなんです」
ボロボロと涙がこぼれ落ちます。
「僕のことが、イヤになった?」
「…はい」
「そっか…」
お兄さんはわたしから海の方へ、視線を移します。
「…最近、キミが悩んで苦しんでいることは気付いていた。けれど何も言い出さないから、口を出すことじゃないと思ってたんだ」
「ゴメンなさい…。わたしが…悪いんです。恋人になっても全然楽しくなくて…。幼馴染であった時の方が、幸せでした」
「楽しく…なかった?」
「正直言えば…。幼馴染であった頃と、何にも変わらなかったでしょう?」
「まあ、ね」
「なら無理に恋人にならなくても良いんじゃないかって、思ったんです」