リクエストを基にした・【Kiss】シリーズ 『甘々』・6
「ぶぅ」

「ごっゴメン…。本当にキミが可愛くて…」

「どうにもバカにされているようにしか聞こえません!」

わたしはミルクティーを一気に飲んで、立ち上がります。

「わたしは先に出ています。落ち着いたら来てください」

「あっ、待ってよ!」

わたしはズンズンと歩き、お店を出ました。

「あっ、お会計…」

お金のことを思い出し、立ち止まって振り返ります。

しかしお兄さんがすでに伝票をレジに持って、払っている最中でした。

…でもレジをしているウエイトレスの顔が、嬉しそうに見えて…わたしはまた胸が苦しくなります。

恋人になろう、と言ってくれたのはお兄さんの方から。

わたしはわたしなりに、お兄さんへの気持ちを伝えてきたつもりでした。

「でも…幼馴染から、何も変わらない…」

手をつないで歩いたり、二人っきりで過ごすことも恋人と言えるでしょう。

けれどそれは、幼馴染という関係でもできることです。
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