好き、嫌い、大好き、大嫌い
もしここで「無理」と言えたらどんなにラクだっただろうか─…
だけど言えなかった。
今思えば計算をしていたんだろう。
私が断れなくなるようにする方法を…


もし、ここで断ったらりまは間違いなく皆にこの事を言うだろう。
そして、りまの気持ちを怜に言ってあげて振られたらもちろん私のせいにされていただろう
全部りまにのせられたんだ。
そんな事を考えてたなんてこの時はまだ知らなかった。


「さやか…お願い…お願い」


「でも、こーゆうのって自分で言わないと…」


「でも言えないもん…お願いだから言って?」


断れなかった。
涙をぬぐって怜の顔を見つめた。
あ…やっぱりカッコいいや─…
けど、もう終わりだ。
私はりまの気持ちを怜に打ち明けた
怜はもちろん驚いていた

私は怜にOKを言わせた。
あとが怖かったから
怜の気持ちを無視して自分の気持ち殺してまで結局守りきったものは周りの人から何も言われないという安全地帯。



その後りまは嬉し涙を流して帰って行った
自分も涙を流した



りまとは正反対の悔し涙を─…


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