シンデレラに玻璃の星冠をⅡ


「何あれ、何あれ!!!!?」


それは――


「可愛い~~ッッッッッ!!!!」



テレビで見た――


"クラウン王子"。



赤いマントを羽織った胴長短足の丸っこい体。

頭には王冠。

ふて腐れたような顔をしたぶちゃいくワンコ。


感動。

この感動は涙もの!!


動くリアルティアラ姫…の対となる王子様!!!


可愛い、可愛いッッ!!!


ちゅうしたい、ぎゅうしたいッッ!!


是非是非~!!



ふらふらふら…。



「せり、行くな、おかしい!!!」


「おかしくないよ~、

あれは紛れもないクラウン王子ぃ~」


ふらふらふら…。


久遠に後ろから手を引かれた。


「どうみてもあれはおかしい。

あの大きさは…旭や司狼の大きさじゃない!!!」


「旭くんや司狼なわけないでしょう?

だってあれは…本物のクラウン王子だもの」


するりと久遠の手を振り解いて。


ふらふらふら…。
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