シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
どくん。
どくん。
僕の身体が感じる。
これは地震なんて可愛いモノじゃない。
この感覚は――
ゴオオオオオオ。
この音は――
ゴオオオオオオ。
音がする方向は――
もしや!!!
僕は慌てて窓がある階下に降り、廊下の窓を開け放ち…外を眺める。
そこには避難していた人達も溢れかえっていて。
由香ちゃんも蓮も驚愕に満ちた顔で、その光景を見つめていた。
ぐらぐらと揺れる屋敷。
この屋敷が、"真上"ではなかったことが幸い。
窓の外には――
「「"深淵(ビュトス)"の塔!!!?」」
黒い塔が、下から突き上げるようにして発現していた。
その方角は現在ショッピング街。
元々は"深淵(ビュトス)"と呼ばれ、
かつて黒い塔が存在していた場所だった。