シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
・邂逅 櫂Side
櫂Side
*************
あの時――
芹霞の布の引き渡しを拒んだ俺に、久涅は憎悪にも嫉妬にも似た…激しい感情をぶつけてきた。
それはまるで、紫堂櫂に接するが如く。
それに戸惑いながらも、"男"としてそれを受けた俺。
拳を交えれば、俺の正体が判ってしまうかも知れない。
そうしたら"約束の地(カナン)"を巻き込んでしまう。
俺の葛藤を超え、危惧する時間も与えず、瞬時に動いた久涅。
しかし――
俺に掴みかかるその刹那。
「――馬鹿がッッッッ!!!!」
突如、久涅は身体を捻りながら、斜め後方の空に向かって怒鳴ったんだ。
誰も居ない、空に向かって。
「余計なことをッッッ!!!」
そして俺を振り返り、激しく睥睨した時。
地面がグラグラと激しく揺れて。
久涅と俺の間の地面に亀裂が走ったんだ。
俺達は遠互いにざかるようにして、後方に飛んで亀裂を避ける。
揺れは段々酷くなる。
地震か!!!?
違う。
久涅が睨み付けていた空の方角に――
ゴオオオオオ。
そんな不可解な轟音を響かせて、
――!!!!?
異物が現われたんだ。
まるで地殻を突き破るかのように。
*************
あの時――
芹霞の布の引き渡しを拒んだ俺に、久涅は憎悪にも嫉妬にも似た…激しい感情をぶつけてきた。
それはまるで、紫堂櫂に接するが如く。
それに戸惑いながらも、"男"としてそれを受けた俺。
拳を交えれば、俺の正体が判ってしまうかも知れない。
そうしたら"約束の地(カナン)"を巻き込んでしまう。
俺の葛藤を超え、危惧する時間も与えず、瞬時に動いた久涅。
しかし――
俺に掴みかかるその刹那。
「――馬鹿がッッッッ!!!!」
突如、久涅は身体を捻りながら、斜め後方の空に向かって怒鳴ったんだ。
誰も居ない、空に向かって。
「余計なことをッッッ!!!」
そして俺を振り返り、激しく睥睨した時。
地面がグラグラと激しく揺れて。
久涅と俺の間の地面に亀裂が走ったんだ。
俺達は遠互いにざかるようにして、後方に飛んで亀裂を避ける。
揺れは段々酷くなる。
地震か!!!?
違う。
久涅が睨み付けていた空の方角に――
ゴオオオオオ。
そんな不可解な轟音を響かせて、
――!!!!?
異物が現われたんだ。
まるで地殻を突き破るかのように。