シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
「何で旭が!!!?」
悲痛じみた久遠の声が耳に響く。
理解出来ない。
――きゃはははははは。
どうして――…
久遠の手の中に…
千切れたような旭くんの頭があるのか。
どうして…
今にも笑いだしそうな顔をしているのか。
生きているのに…。
ちゃんといつも通りの生気溢れた顔なのに…。
――お父さんッッ!!!
脳裏に蘇るのは…
新聞を読んでいた父親の頭が落ちる瞬間。
――お母さんッッ!!!
泣いて見上げた母親の首が落ちる瞬間。
幾ら呼べども返ってこない…
無反応の肉体の器のこと。
いつもあたしに向けていた、
優しい"心"はそこには無くて。
ねえ…。
心は何処にあるの?
心は…頭にあるの?
頭が落ちてしまえば…
心が無くなってしまうの?
じゃあ頭があれば…
心があるっていうことなの?