シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
その時、視界の端にきらりと何かが光って。
見れば蓮の鏡が何かに反射している。
のそりと動いて鏡を覗き込んだあたし。
鏡に映っていたのは、しなやかに跳ねる凜ちゃんと、
「旭を殺したのは、お前か!!!?」
反対側から交差するように飛び跳ねていた久遠と――
あたしは、目を瞠った。
そして鏡を引き寄せ、もっとよく覗き込んだ。
鏡が反射したのは、金色の王冠。
そして空を見上げる。
場面は丁度、凜ちゃんと旭の頭を片手に抱えた久遠が、1人の…制裁者(アリス)の白い制服を着た制裁者(アリス)を挟むようにして、攻撃を加えようとしている所で。
あたしは慌てて鏡を見る。
違う!!!
目と鏡の映し出しているものが違う!!!
「久遠、凜ちゃん、
ストップッッッ!!!!」
あたしは声を上げた。
「手出ししちゃ駄目!!!
それは――
クラウン王子だ!!!!」
そう、鏡に映っていたのは――
紛れもないぶちゃいくワンコで。
そして――
「久遠、手の中のそれは――
旭くんじゃない!!!
ただの髑髏だよ!!!」