シンデレラに玻璃の星冠をⅡ


意を決して――

青い袋を覗きこむと…服がある。


「こちらの紳士の商品ですの。その方、紫堂様ならきっと"彼女"さんに、これら服をコーディネイトするからと、先に…お似合いのお洋服を示されました。凄いですね、どんぴしゃり」


僕の好みまで見抜かれて――


「絶対、紫堂様もお似合いになられますから」


そう、店長は…僕まで試着室に連れた。


その時、何かが音を立てて落ちて。


青い色の封筒。


呪わしい匂いがぷんぷんだ。


僕はあえて無視した。


「紫堂様、落ちましたよ?」


笑顔の店長が拾って寄越す。


気付かないフリをした。


「紫堂様、お手紙です」


肩を叩かれては…知らなかったではすませられない。


仕方が無く、僕は微笑んだ。



「いりません」



店長も笑った。


にこにこ、にこにこ。


僕達は微笑みあう。


「もしそう言われたら代金は…「下さい」


仕方が無く…手にとって中身を見れば、何かが入っていて。


「青いクレジットカードと…車のキー!!?」


芹霞が驚いた声を出す。


ああ、この鍵…見覚えある。


そして…手紙。

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