シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
同時に――
彼女を見て、見開かれる鳶色の目。
虚ろな表情が飛び、
生気が注ぎ込まれたように思った。
そして玲くんは――
凛ちゃんに微笑んだんだ。
喜悦。
悲哀。
安堵。
恐怖。
ありとあらゆる感情が入り交じった、複雑な微笑を。
凛ちゃんは、そんな玲くんの頭を…片手で胸に抱いた。
全て、判っているというように。
そして同時に――
第二弾の攻撃を繰り出そうとした外套男に、
反対側の掌を向けて…毅然と制した。
それは魔法のように…
ぴたりと動きを止めた外套男は――
引いたんだ。
「師匠、大丈夫か!!!?」
その声に弾かれるように、空高く。
幻――。
「由香ちゃん、由香ちゃん!!!!」
由香ちゃんが玲くんに燃やされたのは幻。
幻だったんだ!!!