シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
俺は、緋狭姉とまた修行したいんだ。
――こら、この馬鹿犬!!!
還ってくるはずだろう?
以前通りの日常。
日常に戻す為に――
今の戦いがある。
そう思えば――
こんな戦いぐらい、
やってのけれるだろう?
俺、今までだって生きて来れたんだ。
絶対、死んで溜まるか。
絶対、殺させて溜まるか。
俺は会うんだ。
元気な櫂に。
――櫂様を選ばれた。
……芹霞に。
会いたいんだッッッ!!!
「煌、余計なことを考えるなッッ!!!」
目の前に周涅の手刀。
慌てて俺は後方によけた。
俺の髪がはらはらと宙に舞った。
周涅の速度は二段階。
元々早いのに、目の前にくれば更に速度がぐんと伸びる。
そのタイミングは不規則で、間合いが掴めねえんだ。
本能を信じるしかねえ。
直感を信じるしかねえ。
本能と直感なんて――
緋狭姉との修行でしっかりしごかれた。
それがなければ今頃俺は生きてねえ。
だったら、身体が判っているはずだ。
瞬間移動の移動先を、
予想つけて回り込むしか手はねえ。
頭でぐだぐだ考えてたら、仕留められる。