シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
・決意4 櫂Side
櫂Side
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「は~い、かいくん。
"あ~~~ん"」
目の前で突き出された銀色のスプーン。
それに乗っているのは、得体の知れない"何か"。
小さな肉。
だろうけれど、何の肉かは判らない。
「かいくん、"あ~~~ん"」
フリルの小さなエプロンをつけた愛らしい天使は、崩れた輪郭を持つ肉を突きつける。
俺が動けないのをいいことに、
俺が話せないのをいいことに、
「かいくん、"あ~~~ん"」
出来る限り顔を捩ってその"攻撃"から逃れようとすると、スプーンを持たない反対の手がぐっと俺の頬を正面に向けさせて、
「かいくん、"あ~~~ん"」
とびきりの"天使"の笑みに、まるでそぐわぬ馬鹿力。
過去の戦闘経験が"彼"を無邪気な悪魔に変えさせる。
「かいくん、"あ~~~ん"」
小さな手が持つ銀の武器は、"また"俺の口にねじ込まれた。
無理矢理入れられ…口の奥に至る前に、やけに熱い"それ"は舌の上に振り落とされ、驚いて舌を動かせば、どろどろした白濁液が口端から零れ落ちて。
どこもかしこも火傷しそうだ。
無念。
拭う力も失っているとは。
「おいしい? かいくんおいしい?
旭が"くり~むしちゅ~"作ったの~。
旭の大好きなお肉使ったの~」
だから――
それが怖いんだ。
お前――
かつてこの土地で、何の肉食ってた?
まさか――
嗜好は変わってないとか言わないよな。
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「は~い、かいくん。
"あ~~~ん"」
目の前で突き出された銀色のスプーン。
それに乗っているのは、得体の知れない"何か"。
小さな肉。
だろうけれど、何の肉かは判らない。
「かいくん、"あ~~~ん"」
フリルの小さなエプロンをつけた愛らしい天使は、崩れた輪郭を持つ肉を突きつける。
俺が動けないのをいいことに、
俺が話せないのをいいことに、
「かいくん、"あ~~~ん"」
出来る限り顔を捩ってその"攻撃"から逃れようとすると、スプーンを持たない反対の手がぐっと俺の頬を正面に向けさせて、
「かいくん、"あ~~~ん"」
とびきりの"天使"の笑みに、まるでそぐわぬ馬鹿力。
過去の戦闘経験が"彼"を無邪気な悪魔に変えさせる。
「かいくん、"あ~~~ん"」
小さな手が持つ銀の武器は、"また"俺の口にねじ込まれた。
無理矢理入れられ…口の奥に至る前に、やけに熱い"それ"は舌の上に振り落とされ、驚いて舌を動かせば、どろどろした白濁液が口端から零れ落ちて。
どこもかしこも火傷しそうだ。
無念。
拭う力も失っているとは。
「おいしい? かいくんおいしい?
旭が"くり~むしちゅ~"作ったの~。
旭の大好きなお肉使ったの~」
だから――
それが怖いんだ。
お前――
かつてこの土地で、何の肉食ってた?
まさか――
嗜好は変わってないとか言わないよな。