シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
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思い切り泣いたら心がすっきりした。

わしゃわしゃと髪の毛や身体を洗ったら、身もすっきりした。


浴槽でお湯に浸かっている時は、自然と出てきた鼻歌。


我ながら単純だとは思うけれど、我風呂好き、VIVA日本人!!


初めてお風呂を使わせて貰うけれど、何で浴槽に赤い薔薇の花がぷかぷか浮いているんだろう。


この屋敷にお姫様なんて居ただろうか。


蓮の趣味?



だけどこの匂いは…久遠の匂いの気もする。


久遠の…。


見事に、久遠に飲まれていたあたし。


超絶美形のせいもあるけれど、


――ふらふらするな!!

なんでこう…突っぱねることが出来ないのだろう。


初恋の弱みなのかな。


久遠が真面目な顔をすると、どんなことでも…心が揺れる。

防波堤が…なくなってしまったように。


ボウハテイハナニ?



よし。


久遠と玲くん、2人を応援しよう。

最終的に凜ちゃんがどちらを選ぶか判らないけれど、その結果を微笑ましく見守っていよう。


私情を挟まず、皆平等。


別にあたしは、玲くんに浮気されたわけじゃない。

付き合ってもいないんだ。


疑似の彼女。


ショックを受けることでもない。


玲くんが、本気になる恋愛を見つけたのなら、

あたしはそれを応援してあげなくちゃ。


ずきん。



心はまだ…痛むけどね。

傷が浅い内で良かったのかもしれない。


ポジティブシンキング!!!


頑張れ、神崎芹霞!!!


笑顔だぞ、あたし!!!
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