シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
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笑顔でいようと決めたのに――

なんでこうなるんだろう。


ちらちら、ちらちら。


横と前から視線を感じる。


あたしはタオルを被り直して、視界を狭める。


居たたまれない。

あたし何かしたかな。


笑顔が引き攣る。


お願い…なんとかして。


ノイローゼになりそうだ!!



「――で、師匠が虚数を食らうプログラムを作っていた時、突然屋敷から悲鳴があがったんだ」


由香ちゃんは構わず話し続ける。


蓮も相槌を打つ。


問題はそれ以外。

それ以外の三角関係連中だ。


あたしは快く応援しようとしていたのに、どうしてそんなに詰るような眼差しを向けてくるのだろう。


笑顔でいようとすればするほど、視線は強まっていくようで。


あたしは顔を隠すようにして、頭に被っていたタオルをクロスさせて、更に小さく小さく…縮こまった。

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