シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
――たのもーッッ!!
逃げも隠れもせず、元気いっぱいに応接間のドアを開けたあたしを待っていたのは、久遠だけではなく、凜ちゃんと玲くんも居た。
折角笑顔で中に入ったというのに、凜ちゃんと玲くんはあたしを見て引き攣ったような嫌そうな…そんな顔をしたんだ。
嫌がられた。
内心凹んだけれど、此処は笑顔笑顔と頑張って。
椅子は2人掛け長椅子が向かい合わせに2組。
隣り合わせに座る凜ちゃんと玲くん。
その当然のような空気に…あたしのもやもやは大きくなり。
――せり、座れ。
久遠の横しか空いてない席。
あたしに嫌悪感抱いている2人を向かいから見るのも心苦しいけれど、仕方が無く…無理矢理笑って座ろうとした途端、凜ちゃんが怒ったようにすくりと立ち上がり、先に座ってしまった。
唖然。
凜ちゃんは久遠を睨み付けた。
嫉妬…?
そうすると必然と玲くんの隣しか空いてないわけで。
座るのは何だか…玲くんに悪い気がしたんだ。
好きな人に誤解されたくないよね。
躊躇していると、
――芹霞、おいで。
少し怒ったような、玲くんの声。
凜ちゃんが久遠の元に行ったから、気分が悪いのだろうか。
こんな修羅場に、あたし居ていいんだろうか。