シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
黒いモノが振り返り、立ち上がり、
突如僕目がけて突進してくる。
――師匠!!?
――紫堂玲!!?
点々と振り落とされるのは――
――白き稲妻~~ッッ!!!
柿ピー。
そう。
昔ながらの、おつまみ。
柿ピー。
黒々の正体は…毛。
毛むくじゃらの大男なんて僕は1人しか知らない。
――三沢さんッッッ!!!?
――し、師匠…あの荒くれた奇っ怪な野生動物と知り合いかい!!?
三沢さんを屋敷に連れてきたのは、彼の言葉から想像するに旭だったらしい。
ヘリから落ちた先、僕達とはぐれてしまった彼は、どうにか人気或る場所を求めてうろうろしていた所、突如現われた黒い男からクラウン王子を押し付けられたらしく、
――何だかさ、お前さんの崇拝する『気高き獅子』そっくりだったんだ。
久涅…?
――そしてこれを手渡された。今時珍しい32MBの低記憶量のUSBメモリ。
――その後、チビちゃんにあってここに連れてきて貰ったんだけれど、何せ腹減って。テーブルに俺の好きな柿ピーあるからついむしゃむしゃと。
そう三沢さんは豪快に笑った。
その雰囲気に和みすぎて、警戒心を怠ってしまっていたんだ。
その間に、屋敷に侵入してきた者がいるなんて。