シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
自然と、堅くなる僕の顔と口調。
だけど芹霞は来ないんだ。
――こっちの方がいい。
僕の横は嫌だとパイプ椅子を取出して。
そんなあからさまな拒絶に、僕の心はじんじんと痛み出す。
不安だけが大きくなって、痛みを伴い…心を蝕む。
今、僕達は"お試し"中なんだよ?
叫び出したい僕が居て。
君は誓ったじゃないか。
"お試し"中は、僕を"男"として意識するって!!
ソレハボクガイワセタダケダ。
そう、僕には――
確固たる"お試し"成果がないことに改めて気づかされたんだ。
芹霞の横に居るのは僕だと、
対外的にも主張するように僕もパイプ椅子に座る。
芹霞を追いかけ回し、情けなく縋り付く…滑稽で矮小な男だと思われてもいい。
だけど僕の不安は大きすぎて。
手足は冷えてきて。
タカガスワルバショデ。
櫂の前で僕の隣に座ってくれないと、少なくともそこを突破しないと…僕は櫂に太刀打ちできない。
"お試し"している意味が、全くないってことじゃないか。
「玲くんいなくても、大丈夫だから」
それ、何?
ひゅうと喉の奥が鳴った。