シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
機械室への移動中――
芹霞が俺に近寄ってきた。
――凜ちゃん、スカート横破けてるよ。セクシ~。
戦いの途中から動きやすくなったと思ったら、破けていたのか。
――いいよね、チラ見でも…足長くて細くて。羨ましい!!
お前は一体何処を見ているんだよ、恥ずかしいんだよ!!!
これは女の足ではないだろうに!!
俺は思わず口を尖らせた。
好きな女に、同性として褒められるのは羞恥以外の何物でもない。
俺は今まで、王子様でありたいと"男"を磨いてきたのであり、ゲテモノ"女"を褒められたって嬉しくないんだ。
だけど、
――凜ちゃんって、惚れ惚れするほど格好良いよね~。男だったらあたし惚れちゃうかも。
それは…リップサービス?
それとも…
本心?
本心であるというのなら、今ここで服を破って、男だということを教えてやりたい。
俺は身も心も、正真正銘の"男"。
お前を手に入れたいが為に、変えた姿。
お前にとって、一番の男であるようにと…願い続けて今の俺が在るんだ。
そう目で訴えたけれど…芹霞は軽く笑って遠坂と蓮の所に行ってしまって。
伝わらない。
俺が男だと…
いつもお前と共に居た紫堂櫂だと…
どうして判らない?
途方に暮れた気分だった。
その時、後方から鋭い視線を感じて。
玲からだった。