シンデレラに玻璃の星冠をⅡ


追い詰められすぎた玲。

だから欲しがる芹霞の愛。


そういう…ことか?


判る、判るんだ。

玲だって本気なのは。


俺は玲を幸せにしたいんだよ。

そんな顔をさせたくないんだよ。


それは真実。


だけど…

芹霞はやれないんだ。


玲、玲。


何で今、"お試し"なんだよ。

芹霞が俺を忘れ去っているその中で、どうして?


芹霞の中で玲の存在がかなりを占めている。

俺の記憶になり代わり、玲への心が育っている。


前と様子が違うんだ。


――紫堂櫂を愛してる!!!


あの時の芹霞が居ないんだ。

あの時だけじゃない。


今までの俺が存在していない。



玲、持っていくなよ。


怖いんだ。

無性に怖いんだ。


芹霞が…居なくなる気がして。



俺だって――

引き返せないんだよ、玲。


なあ…お前なら判るだろう?


俺はお前にだけ、ずっと芹霞への想いを告げてきた。


諦めきれない程、愛しすぎていること…

十分判っているだろう?
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