シンデレラに玻璃の星冠をⅡ


愛しくて、愛しくて。

欲しくて欲しくて溜まらなくて。


抱き潰してしまいたい程の欲望と戦いながら、いつか俺を"男"として愛してくれる日が来ることを切望してきた。


1日たりとも、芹霞を愛さない日はなかった。


――芹霞ちゃあああん!!!


男として意識されたくて、

芹霞に求められる王子様になりたくて。


難攻不落のお姫様を手に入れる為…血の滲むような努力で、惰弱な心身を変えてきたこと、お前は知っているだろう?


――あははは、可愛いね、櫂は。


なあ…玲。

芹霞はやれないんだよ。



――紫堂櫂を愛してる!!



あの言葉を聞いてしまったら、

俺はもう…止まれない。


記憶がないと判ってしまえば…

ブレーキが利かないんだ。



玲…。


"お試し"中だって判ってる。

お前がそれに賭けていることも判る。


だけど…

男に戻りたい。


戻らせて欲しい。


このままだと俺は…

嫉妬に狂ってお前を襲うかもしれない。


不安を抑えることが出来ない。



心が――


――紫堂櫂を愛してる!!!


壊れそうなんだ。

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