シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
緋狭様と聖は繋がっていたというのか?
周涅とも…顔見知りのようだ。
「聖が何者かというのは、お前だって判っておろう。仮にも…"候補"だった男。ただの怪しすぎる関西人もどきではない」
「紅皇はん、ウチは何処も怪しいとこなんて…」
「存在からして怪しい。第一、お前は関西とは無縁の筈。胡散臭さ№2をくれてやる」
「……。おおきに。あの人抜かして、№1じゃなくてほっとしましたわ」
多分、
――あははははは~。
全員思い描くのは1人の男。
聖は、笑いながら紅皇の後に立つ。
「……ひー」
突如…声を出したのは、目を薄く開けた朱貴で。
声を出すのすら、つらそうだ。
「こっちを見ろ、ひー」
皇城翠は、突然そんな会話を始めた朱貴を、驚いた顔で見つめている。
しかし聖は、朱貴の問いかけに応えることがなく。
「ひーッッッ!!!」
突然怒鳴りだした朱貴に――
「紅皇。約束を破り、手を差し延べるか?」
周涅の笑いが重なり…
「理不尽なルールなど、
"あの人"の意向ではない」
緋狭様の返事がするな否や…
「ひーッッッッ!!!!」
ドスッ。
不穏な音がして…
緋狭様の体が前に崩れた。