シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
・選択2 煌Side
煌Side
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「少しずつ骨肉を切り刻み、
ああ…
互いに食させても面白いな」
…グロいことを言い放ち、
陶然とした顔で周涅は笑う。
普通ならそんな陳腐な脅しは効かねえって、鼻で笑い返してやる処だけど、温度無い赤銅色の瞳を持つ周涅なら、本当にやりそうな気がした。
しかし、不思議と恐怖は沸かねえ。
目の前で――…
垂直に…深々と背中に突き刺さっている短刀。
蹲(うずくま)る赤い女。
目に映るありえねえ状況だけが、
底知れぬ恐怖を感じさせるんだ。
水の壁を力ずくで突破して、緋狭姉の下に駆けつけようとした俺。
左右に広がっていた水の壁は、俺が触れた途端に形状を変え、俺と…やはりどうにかして動こうとしていた桜の両手両足首を拘束する枷に変じた。
水で出来たシンプルな枷。
重い。
とにかく重過ぎて、手足を動かすことができねえんだ。
たかが…水なのに。
緋狭姉をただ眺めていることしか出来ない。
緋狭姉はすぐそこにいるのに!!
「さあ…どうする紅皇。
それとも…
その身体で命乞いをしてみるか?
――弟子達の前で"女"になるか?」
欲にぎらつく赤銅色の瞳が細められる。
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「少しずつ骨肉を切り刻み、
ああ…
互いに食させても面白いな」
…グロいことを言い放ち、
陶然とした顔で周涅は笑う。
普通ならそんな陳腐な脅しは効かねえって、鼻で笑い返してやる処だけど、温度無い赤銅色の瞳を持つ周涅なら、本当にやりそうな気がした。
しかし、不思議と恐怖は沸かねえ。
目の前で――…
垂直に…深々と背中に突き刺さっている短刀。
蹲(うずくま)る赤い女。
目に映るありえねえ状況だけが、
底知れぬ恐怖を感じさせるんだ。
水の壁を力ずくで突破して、緋狭姉の下に駆けつけようとした俺。
左右に広がっていた水の壁は、俺が触れた途端に形状を変え、俺と…やはりどうにかして動こうとしていた桜の両手両足首を拘束する枷に変じた。
水で出来たシンプルな枷。
重い。
とにかく重過ぎて、手足を動かすことができねえんだ。
たかが…水なのに。
緋狭姉をただ眺めていることしか出来ない。
緋狭姉はすぐそこにいるのに!!
「さあ…どうする紅皇。
それとも…
その身体で命乞いをしてみるか?
――弟子達の前で"女"になるか?」
欲にぎらつく赤銅色の瞳が細められる。