シンデレラに玻璃の星冠をⅡ


ああ、芹霞!!

どうして、俺を思い出せないんだ!!!?


どうして!!!?


思い出せ。


思い出してくれッッ!!!



「だけど――…


シドウカイっていうの…


なんか記憶がある」



どくん。


期待に俺の心臓が跳ねる。


その言葉に、俺は託したんだ。



「シドウカイ…? シドウカイ…。

何だろう…聞いたことがある…」



そうだ、頑張って思い出せ。


俺は祈るような思いで、

腕組みをして首を傾げる芹霞を見つめた。



暫しの静寂。

身体が今にも崩れ落ちそうな程、緊張してくる静寂。



そして――



「ああ!!!

煌が仕えていた『気高き獅子』だ!!

煌が良く口にしてたよ!!!」



嬉しそうに手を叩く芹霞。



「何だ、煌の知り合いか!!!

死んだはずの、玲くんの前の紫堂財閥の次期当主だね?


そう言えば玲くんの従弟で久涅の義弟だって、あたし聞いてたんだった。

生きてたんだ? 良かったね。


あたしと煌と同じ桐夏だったっけ?

だからあたしの名前も知ってたんだね?」


くらりと、眩暈がした。

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