シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
 

「さあ…どうする?


お前の"執着"を捨てるだけで…

多くの者達が幸せになる。


お前は…他を不幸にしてまで、

自分が幸せになりたいのか?」



紫堂櫂は苦渋に顔を歪めていて。



「ああだけど…玲にはハンデがある。

玲が何故今、"お試し"とやらをしているのか教えてやる」



そして久涅は、突然あたしの両耳を手で塞いで。


何かを紫堂櫂に言った。


紫堂櫂の目が段々と見開かれていき、

その唇がわなわなと震えだしたのが判った。


あたしの耳から手が外れた。


「――…その上で聞く。


お前は…それでも想いを貫き、"裏切り者"だからと正当に制裁を加えるか?


全て…なかったことにして」



そう、喉元で笑った。


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