シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
そんな時だったんだ。
突如、空間が揺らぐようにぶれたのは。
最初…僕の目がおかしくなったのだと思った。
だけどそれが違うと感じたのは…
「次元が…割り込んだ!!?」
久遠が驚いた声を発したから。
「何で景色が薄れるんだ?」
「鏡の光当てても同じということは、悪しきモノではないのか?」
「俺、老眼にはまだ早いよな」
三者三様…だが彼らも同じ状況下にあるらしい。
この視界の異常は…真実か。
「今度は…何が起こるんだ!!!?」
由香ちゃんがぶるりと震えた。
そして僕は…
何かの存在が大きくなるのを感じて。
「気をつけろ!!!
何かが…来る!!!」
そう叫ぶと、久遠が呼応した。
「侵入者か!!?
…ありえない!!!
此処は…レグが築きあげた、
魔術的結界に守られてる土地だぞ!!?」
それがあり得ている現実。
それを何より、自分達の目が捕えている。
体に走る緊張感。
薄らいだ景色が陽炎のようにゆらゆらと揺れ、違う景色が下から塗り替えるかのように鮮明になっていく。
嫌な汗が流れてくるのを感じた。
五皇の領域に割り込める"何か"。
普通ではありえない"何か"。
何が…現われるというのか。
僕は剣を手元に引き寄せ、身構えた。
僕が。
僕が守らないと!!!
「!!!!!」
そこから現れたのは――