シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
・帰結2 煌Side
煌Side
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「"時間を――…
逆転させればいい"
薬を受け取った後、小猿のクソ兄貴は…そう笑いやがったんだ」
ちらちらと見える…屋敷を守るような聖火の揺らぎ。
それはまるで、必死に落ち着かせようとしている、俺の心のざわめきのようで。
――櫂の気が向こう側から感じる。走るぞ!!
走りながら、俺は玲に語った。
思い出すだけでも腹立たしい、あの時の言葉を。
時間を逆転させる!!?
ありえねえって。
魔法使いでもあるまいし!!
「俺達は抗したよ!!!
ならばその具体的な方法を教えろって」
そうしたら――
「"白皇が知っている"」
そう答えやがった。
「不可能なことを出来る奴は死んだ人間だけど、その人間が緋狭姉が助かる方法を知る唯一無二の存在には変わらないと…自分は嘘をついてないと、いけしゃあしゃあとほざきやがった」
俺の肩では、小猿がまた呆けたままで大人しい。
感情の起伏が激しい小猿が黙したままだと、息してるか気になってくるが…背中を撫でてみれば、呼吸はしているようだ。
そこまで…驚くことか?
「それで――
朱貴と紫茉ちゃんは?」
玲の顔は強張ったまま。
――北斗の巫女との子を成して貰うことにする。
条件がそうなったと俺が告げた時、玲の体がぴくりと震えた気がした。
だけど…何も言わなかった。
秘めた感情を表に出さないようにしているような…孤独なまでの孤高な空気を纏っていた。
何も考えられないのか、何も考えたくないのか。
玲は俺が思っていた以上に大人だということなのか。
思っていた以上に…諦め易い体質となっていたのか。
俺や桜が頭を下げたこととかは玲には話していねえ。
助けられなかった者に"自慢"して何になるよ?
そんなの…必要ねえ。
俺は玲を助けられなかった。
その救いになれなかった。
それは事実。
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「"時間を――…
逆転させればいい"
薬を受け取った後、小猿のクソ兄貴は…そう笑いやがったんだ」
ちらちらと見える…屋敷を守るような聖火の揺らぎ。
それはまるで、必死に落ち着かせようとしている、俺の心のざわめきのようで。
――櫂の気が向こう側から感じる。走るぞ!!
走りながら、俺は玲に語った。
思い出すだけでも腹立たしい、あの時の言葉を。
時間を逆転させる!!?
ありえねえって。
魔法使いでもあるまいし!!
「俺達は抗したよ!!!
ならばその具体的な方法を教えろって」
そうしたら――
「"白皇が知っている"」
そう答えやがった。
「不可能なことを出来る奴は死んだ人間だけど、その人間が緋狭姉が助かる方法を知る唯一無二の存在には変わらないと…自分は嘘をついてないと、いけしゃあしゃあとほざきやがった」
俺の肩では、小猿がまた呆けたままで大人しい。
感情の起伏が激しい小猿が黙したままだと、息してるか気になってくるが…背中を撫でてみれば、呼吸はしているようだ。
そこまで…驚くことか?
「それで――
朱貴と紫茉ちゃんは?」
玲の顔は強張ったまま。
――北斗の巫女との子を成して貰うことにする。
条件がそうなったと俺が告げた時、玲の体がぴくりと震えた気がした。
だけど…何も言わなかった。
秘めた感情を表に出さないようにしているような…孤独なまでの孤高な空気を纏っていた。
何も考えられないのか、何も考えたくないのか。
玲は俺が思っていた以上に大人だということなのか。
思っていた以上に…諦め易い体質となっていたのか。
俺や桜が頭を下げたこととかは玲には話していねえ。
助けられなかった者に"自慢"して何になるよ?
そんなの…必要ねえ。
俺は玲を助けられなかった。
その救いになれなかった。
それは事実。