シンデレラに玻璃の星冠をⅡ

12年間の絆は、そんな簡単に終焉を迎えられるものなのか?


執着はないのか?

未練はないのか?


――あたし、櫂がだあい好き!!


俺のこと…永遠って言っただろう?

俺のこと…運命って言っただろう?



初恋より…俺を選んでくれたのに。



――紫堂櫂を愛してる!!!


俺のこと…愛しているって言っただろう?


何で、俺を忘れるんだよ。

何で、戻らないんだよ!!!


――芹霞ちゃあああん!!!


その原因が、玲の操作によると久涅が言った時。

俺の中での…理性という名の均衡が崩れた時。


"俺"が爆ぜた…気がした。


俺のやり場のない想いが、出口のない苦しみが…玲という存在を持って、終結地点を見出したような…気がしたんだ。



レイノセイダ。



腹の底から、どす黒いものが込み上げてくる。



レイガウラギッタセイダ。



それは怒りにも哀しみにも似て非なる…


憎悪。



玲の父親の行く末なんて知らない。



俺は――



――紫堂櫂を愛してる!!!



玲を許さない。


玲が奪ったんだ。



俺の芹霞を…。

芹霞を…。




返せッッッ!!!!


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