シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
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1階の応接間。

皆が集っていると思っていたのに、誰もいねえ。


自分の心を宥め落ち着かせるのに、随分と時間を食っちまったらしく、皆の移動先が判らねえ。


応接間には、紙で散乱していた。


紙を拾って見てみれば、英字やら、蛇みたいな文字やらが沢山で、見ているだけで拒絶反応に眠くなりそうだ。


何だろう、これ?


紙の下には手書きの数字が振られていて、途中まで揃えられている。


壁際にはホワイトボードが鎮座しており、模造紙に描かれた、大きな地図が貼られていた。


これは――

"約束の地(カナン)"?


○が3つついていて、それを囲むようにやはり手書きで赤く丸つけている。


紙には血糊と見られる、茶色い染みが付着している。


何で血?


もしや皆に何かがあったか!!!?


消えた、とか!!?


そう思った時、


ドタドタドタ…。


「きゃはははははは~」


やたら元気のいい、特徴ある声が廊下に駆け抜けて。


ドアを開けて廊下を見ても、旭らしき姿は見えねえ。


玄関のドアが閉まる音。

外に出て行ったのか。


あの足音思い起こせば…階段を駆け下り、外に出ていったようだ。


2階の機械室に、皆は集まっているんだろうか。


だったら合流しようかと、部屋から出て行こうとした時、突如地面が揺れ、よろめいた。


だけど…それだけ。


地震なのか…俺がふらついただけなのか。


とりあえず深呼吸して、頬を叩いて気合いを入れる。


俺が、しっかりしなきゃ。



「ん…? 何だあれ」


部屋の片隅に――

折り畳まれて投げ捨てられていた、

青い紙を見つけた。



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