シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
――――――――――――――――――――――――――――……

だから――



「一体何よ、何事よ!!?」



皆が集っていた機械室。


入ればそこには――


「シロワンコが一匹~。

俺、もう駄目~」


小猿が真っ赤な目をして涙を流して放心状態。



「クロワンコが二匹~。

何でウチまで~。それより糸解いて~や。中途半端にして紅皇はんのトコに戻りはるな。葉山は~ん」


手だけは自由にさせて貰ったらしい…依然蓑虫アホハットも真っ赤な目で涙を流して放心状態。

しかし…アホハットからハットが取れた今、ただ喧(やかま)しい金髪のアホ。

口だけはまだ動くらしいの見てると、黄色のオウムみてえだ。


そして…


「嬢ちゃん…パ、パス…」

「判ったクマ!!! 此処は安心して冬眠してろ!!!」


遠坂からクマと呼ばれた大男も、


「アオワンコが三匹~。

動体視力が…老化した~」


真っ赤な目をして涙を流して放心状態に入っている。


何処がクマ?

その要素は全くねえ。


でかいトコか?

俺よりちょびっと小さい癖に、何でオレはワンコよ?


その時、蓮の声がして。


「ゆ、由香…ルールは…」


声をかけた蓮の目も真っ赤に充血している。


「見てて大体判ったよ、蓮!!!

敵討ち、頑張るよッッッ!!!」


カタカタカタカタ…。


遠坂の早いキーボード打ち。


何だ?

何だというんだ?


異常だよ。

何だよ、この空気は…。



どうして…

こんな状態になってまで――




「ゲームで遊んでやがるんだよ、お前ら!!!!」




「きゃははははは~」




大画面に広がる…


ガキが書いた原っぱみたいな、雑な緑の背景。


そこに黒く空いた沢山の穴…のようなものから、ランダムに飛び出てくるのは――


白ワンコ。

黒ワンコ。

たまに出て来る青ワンコ。


デザイナーにやる気がないのか、3歳児が書いたのか…2次元ワンコ絵図。

遠坂がキーボードを叩けば、ワンコの目がぎょっとしたように大きくなって消える。


所謂…もぐら叩き――

ならぬ…ワンコ叩き。



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