シンデレラに玻璃の星冠をⅡ


「なあ…ITは何よ?」


「機械に関わることだと久遠様は推測された。

お前は知らなかっただろうが…今私達は、紫堂玲のプログラム内に避難している情報が必要としている。しかしそれはパスワードがかけられて、そのパスを知る為には、此の地に落ちた氷皇のヘリ内の機械を通して紫堂玲の機械にアクセスするか、紫堂玲が億通りあるパスを解読する難解プログラムを作るか…二択が迫られていた。

屋敷で寝てたら殺されると騒ぐ司狼をヘリ探索隊にしたら、見つけたヘリの機械は動いていると言うことで、先刻、旭と由香が墜落したヘリの元に行き、機械を操作した処、パスは無事引き出せたらしい。旭が伝えに来た」


あの"きゃははははは"は伝言者(メッセンジャー)で駆け回っていたのか。

このIT化進む時代に、"飛脚"勤めご苦労なこった。


まあ…本人は楽しそうに"遊んで"いたようだけれど。


「そのパスワードをクマが入力した処、次の画面に進んでな。

"アオパス12桁をど~じょ☆"」


――あはははは~。


「そこで、例の手紙の"EVOLEVOLEVOL"を入れた処、それが正解で」


正解かよ!!!


何で玲のパスの影響下にあるプログラムで、氷皇のパス画面が割り込んでこれたのか不思議だったけれど…まあ俺、頭悪いし。


「真っ青な画面に出たのだ。


"AIに勝てますか?

YESならENTERキー"」


なんでこの状況でその言葉!!?

どこかで見ているのか、あの胡散臭い男は。


こういうのは罠だ。

俺達を追い詰める罠だ。

俺だって学習する。

アオ関係は、無視するに限るんだ!!!


「で、あそこの小さいサルが、

"勿論"と叫んで、押してしまった」


押したのかよ!!?


「小猿、お前!!!!」


「だ、だだだって、勝ちたいじゃん、愛!!!」


真っ赤な目で泣きながら小猿は答えた。

しかし何でそんな目なんだろう?


「瞬きする暇すらないのだ。動きが忙しすぎて」


は?



「始まったのはあのゲーム。


それは"愛"ではなく"AI"で…。

つまり…人工知能並の虚をつく動きばかりで、更には凄まじく早い」


あ?


「"GET MY HERAT☆"


そう大きく字が出たと同時に…カウントダウンが始まった。画面の上にあるだろう」


赤い…時刻。

数が減っている。


今は、

59:06

多分、分と秒だ。


「そして、次に

"LADY…FIGHT!!"と文字が出て、

イヌばかりのあれが始まった」


そう俺を見た。


「イヌだ」


俺をじっと見て。


「忌々しいイヌめ」


何で俺にいう!!?

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