シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
『玲くん…』
ああ、聞こえてくるのは芹霞の声。
芹霞、ごめんね。
君の中から…櫂の記憶を消してしまってごめんね。
君は櫂が好きなのに。
君が愛したのは櫂なのに。
愚かな僕は――
それを認めたくなくて、君の想いを消してしまった。
櫂に成り代わって、愛されようとした。
『玲くんが好きだよ…』
きっとこれは僕の妄想。
君の愛に包まれたい、僕の妄想。
ありえないよね。
君から…僕が欲しい温もりが感じられるのは。
僕が君の…"女"の愛に包まれるなんて。
ごめんね…。
僕、やっぱり…君に言わないと。
君の大切な心を消したのは僕だって。
言わないとね…。
きっと…その言葉で、君の記憶が戻る。
それが…魔法が解ける鍵。
そんな気がするから。
愛されたかったよ。
櫂の代わりでもいいから、君に…。
本当に…君が好きだから。
本当に…。
モウ、マホウノジカンハオワリダ。