シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
突然何!!?
一体何!!?
「大丈夫、安心しろ。優しく扱ってやるから」
そう、肩の上にいる僕の背中を大きな手で撫でた。
走る悪寒。
「気持ち悪いこと言うなよ!! 何だよ、その手離せよ!!! 鳥肌立ったじゃないか。発作がまた起きるじゃないか!!!」
「そ、そうか? 安心させる為の"ナデナデ"だったんだけれど…ああ、もしお姫様抱っこが良いのなら…」
「いらないよ!!! 僕は男だ!!!」
「そっか。じゃあこのままでいいな。さあ行くぞ!!!」
「な、ちょ!!! 煌!!! この切ない場面に割り込んできて、何だよそれは…」
「切なかろうが爆笑ものだろうが、遠坂がへばったら、もう玲しか頼みの綱は居ねえんだよ。起きて喋れる元気が戻ったなら、指だけでいいから動かしてくれ!!!」
は?
哀しいことに…
僕は、筋骨隆々たる煌を押しのけるまでの力もないみたいで。
何が嬉しくて――
煌に俵担ぎで拉致られそうになってるんだ!!!?
その時、ドドンという…地下からの轟音と共に、屋敷が激しく揺れて。
凄く大きな揺れで。
「ちっ…骨が1つ逝ったか…」
煌の舌打ちに、僕は目を細めた。
「あと…骨は2本しか残ってねえ…」
「怪我!!!?
あと2本の骨って何だよ!!!?
――…誰の!!!?」
「行けば判るから来い!!!」
何が…起きてるんだ!!?
「とにかく、行くぞ!!!
――ゲームをしに!!!」
「ゲ、ゲーム!!!?」
僕の声が裏返る。
「そうゲーム!!!
ワンコ叩きだッッッ!!!」
「は!!!?」
そして僕は…
訳も判らぬまま…
2階の機械室に連れられたんだ。
強制的に――。