シンデレラに玻璃の星冠をⅡ


突然何!!?

一体何!!?



「大丈夫、安心しろ。優しく扱ってやるから」


そう、肩の上にいる僕の背中を大きな手で撫でた。


走る悪寒。


「気持ち悪いこと言うなよ!! 何だよ、その手離せよ!!! 鳥肌立ったじゃないか。発作がまた起きるじゃないか!!!」


「そ、そうか? 安心させる為の"ナデナデ"だったんだけれど…ああ、もしお姫様抱っこが良いのなら…」


「いらないよ!!! 僕は男だ!!!」


「そっか。じゃあこのままでいいな。さあ行くぞ!!!」


「な、ちょ!!! 煌!!! この切ない場面に割り込んできて、何だよそれは…」


「切なかろうが爆笑ものだろうが、遠坂がへばったら、もう玲しか頼みの綱は居ねえんだよ。起きて喋れる元気が戻ったなら、指だけでいいから動かしてくれ!!!」


は?


哀しいことに…

僕は、筋骨隆々たる煌を押しのけるまでの力もないみたいで。



何が嬉しくて――

煌に俵担ぎで拉致られそうになってるんだ!!!?



その時、ドドンという…地下からの轟音と共に、屋敷が激しく揺れて。


凄く大きな揺れで。



「ちっ…骨が1つ逝ったか…」



煌の舌打ちに、僕は目を細めた。



「あと…骨は2本しか残ってねえ…」



「怪我!!!?

あと2本の骨って何だよ!!!?


――…誰の!!!?」



「行けば判るから来い!!!」



何が…起きてるんだ!!?



「とにかく、行くぞ!!!




――ゲームをしに!!!」





「ゲ、ゲーム!!!?」





僕の声が裏返る。



「そうゲーム!!!




ワンコ叩きだッッッ!!!」



「は!!!?」



そして僕は…

訳も判らぬまま…

2階の機械室に連れられたんだ。




強制的に――。



< 1,374 / 1,495 >

この作品をシェア

pagetop