シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
「中々に…気分が良いな…」
かさり。
「久遠、お前!!!! 何横から手を出すんだよ!!!」
泣きそうな声の煌が久遠に噛み付いたようだ。
「オレは何も? 浮気者のあのチビせりが悪いんだろ?」
かさり。
「下手な絵でも内容はシュールだな。自虐ゲーム? さすがは『アイするレイクン』だ」
かさり…。
自虐…。
確かに、これ以上ない、自虐的で辛辣なゲームだ。
青犬は胡散臭い男で間違いないだろうけれど。
これの主役はきっと僕。
白犬が僕、黒犬が櫂なんだろう。
白と黒ばかり意識していれば、溜めた心…想いは煌に持っていかれ、緋狭さんに叱咤されて。
ようやく想いが叶うという直前で、久遠に心変わりされてしまう。
結局僕は芹霞の心を手に入れられずに、四苦八苦することとなる。
これ以上ない程、皮肉気なゲーム。
カタカタカタ…。
カタカタカタ…。
何処まで僕、馬鹿にされればいいんだろう。
思えばいつも、青い男の手紙の内容は、僕の行動などお見通しで。
――あははははは~。
だけどそれは、必ずメッセージを含んでいて。
指示があって。
そう考えれば…。
「このゲームの意味は、何だ?」
流石に僕は――
奇妙に思えてきた。
何で氷皇は、こんなものを寄越したのか。
これは本当にただの揶揄か?