シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
「芹霞、こっちに…「芹霞、お前も参戦だ、来い!!!」
僕の膝に乗せようとしたら…横から煌に奪われた。
僕の脳裏に、ハートを奪ったエロワンコが浮かび、
――あはははは~。
見透かしたような笑い声が響いてきて、思わず舌打ちをしてしまう。
「今玲は大変な時なんだ。お前、玲を助けたければ協力しろ」
「うん? 何をすればいいの?」
「計算だ」
「け、計算!!? あたし数学大嫌いなの知ってるでしょう!!?」
「仕方が無いだろ!!? 久遠が出来ないって言うんだから」
「久遠が出来ないものをあたしが出来ると!!?」
「久遠が出来ないって言うんだ。神崎、此処は共に頑張ろう!!」
「由香ちゃん。あたし達、赤点組じゃないの!!! 小猿くんは…」
「俺は追試組」
「4人合わせたテスト結果、60点にも満たないよ、きっと!!!」
「嬢ちゃん、俺も居るんだが…」
「久遠が出来ないものをどうしてあたし達が…」
「お~い、嬢ちゃ「誰が出来ないって…?」
それは久遠の声で。
「オレを馬鹿にするなせり。分担するぞ。オレは、後半の難しそうな奴を仕方ないから引き受けてやる。前半はお前達でやれ」
「「「ええ~!!!?」」」
非難囂々(ひなんごうごう)の中、蓮のやけに冷静な声が響いた。
「仕方ないだろう。久遠様は"けいたいでんわ"というものを知らないのだ」
何故か――
皆納得したようで。
…久遠。
芹霞が現われた途端、やる気出すなよ。