シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
・解答
******************
何でこんなことになったんだろう。
久遠の一声で、皆で計算問題をすることになった。
どうしてこれが玲くんを助けることになるののだろうか。
カタカタカタ…。
玲くんのキーボードを叩く音はいつものように軽やかではあるけれど、若干乱暴のようにも思えるのは気のせいだと思いたい。
あたしが来たから苛立った…とは考えたくないけれど。
あたしが目覚めた時――。
玲くんの容態が心配で、近くの部屋のドアを開けても見当たらず、応接間には誰かが居るだろうと赴けば、台に乗った旭くんが棚をひっくり返して、何かを探している最中で。
――皆なら上にいるよ~。
旭くんは何をしているのか聞いたら、
――旭、待ってるの~。おめめぱしゃぱしゃ終わるのを~。
何だかよく判らない返事。
――でね、皆おめめ真っ赤だから、お薬探してるの~。
目薬を探しているんだろうか。
手伝おうとしたら旭くんに、
――大丈夫~。せりかちゃん行ってていいよ~。
そう言われたから先に機械室に来たみたあたし。
桜ちゃんと凛ちゃんはそこには居なかったけれど、発作を起こして苦しんでいたはずの玲くんはちゃんと起きて動いていた。
ああ、玲くんは助かったのだと思ったら、嬉しくて泣けてきた。
過去あたしは、何度も玲くんの発作に立ち会っているから、玲くんが発作を起こす度に、心臓を鷲掴みされた心地となり、不安で鼓動が早くなる。
心配で心配でたまらなくなるんだ。
だけど…機械室の玲くんは、返事はしてくれたけれど…こっちに振り向きもせず、ただひたすら変なゲームをしているだけ。
あたしは――
ゲームが出来る元気が出たのだと喜ぶよりも、そんなゲームをしてあたしを見てくれないことが気になった。
幾度名を呼んでも、玲くんの手は止まることなく、その端麗な顔は向けられることない。
そこまで夢中になれる素晴らしいゲームなのかと画面を見れば、おかしなおかしな色とりどりワンコが出てくる、幼い子供の落書きのような稚拙な画面。
黒丸から飛び出たワンコは、目玉が飛び出て"ギョッ"として消える。
それが延々と続いている。
まるで可愛くないワンコ。
ティアラ姫やクラウン王子と比較にもならない。
何、これ…。
あたしは…こんなもの以下の存在なだろうか。
かなり…ショックだった。
何でこんなことになったんだろう。
久遠の一声で、皆で計算問題をすることになった。
どうしてこれが玲くんを助けることになるののだろうか。
カタカタカタ…。
玲くんのキーボードを叩く音はいつものように軽やかではあるけれど、若干乱暴のようにも思えるのは気のせいだと思いたい。
あたしが来たから苛立った…とは考えたくないけれど。
あたしが目覚めた時――。
玲くんの容態が心配で、近くの部屋のドアを開けても見当たらず、応接間には誰かが居るだろうと赴けば、台に乗った旭くんが棚をひっくり返して、何かを探している最中で。
――皆なら上にいるよ~。
旭くんは何をしているのか聞いたら、
――旭、待ってるの~。おめめぱしゃぱしゃ終わるのを~。
何だかよく判らない返事。
――でね、皆おめめ真っ赤だから、お薬探してるの~。
目薬を探しているんだろうか。
手伝おうとしたら旭くんに、
――大丈夫~。せりかちゃん行ってていいよ~。
そう言われたから先に機械室に来たみたあたし。
桜ちゃんと凛ちゃんはそこには居なかったけれど、発作を起こして苦しんでいたはずの玲くんはちゃんと起きて動いていた。
ああ、玲くんは助かったのだと思ったら、嬉しくて泣けてきた。
過去あたしは、何度も玲くんの発作に立ち会っているから、玲くんが発作を起こす度に、心臓を鷲掴みされた心地となり、不安で鼓動が早くなる。
心配で心配でたまらなくなるんだ。
だけど…機械室の玲くんは、返事はしてくれたけれど…こっちに振り向きもせず、ただひたすら変なゲームをしているだけ。
あたしは――
ゲームが出来る元気が出たのだと喜ぶよりも、そんなゲームをしてあたしを見てくれないことが気になった。
幾度名を呼んでも、玲くんの手は止まることなく、その端麗な顔は向けられることない。
そこまで夢中になれる素晴らしいゲームなのかと画面を見れば、おかしなおかしな色とりどりワンコが出てくる、幼い子供の落書きのような稚拙な画面。
黒丸から飛び出たワンコは、目玉が飛び出て"ギョッ"として消える。
それが延々と続いている。
まるで可愛くないワンコ。
ティアラ姫やクラウン王子と比較にもならない。
何、これ…。
あたしは…こんなもの以下の存在なだろうか。
かなり…ショックだった。