シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
『さてフェルプス君、今回の君の使命は…』


「…ねえ由香ちゃん、流れ的に…フェルプス君って僕のこと?」

「そうだろうね、師匠。青い手紙からこの"使命"に繋がっているのなら」



『夢見た時間を壊すこと。

…時間を逆転させたくば』


「時間を逆転って…若返るってこと?」


しかしあたし以外は何だか難しい顔をして、顔を見合わせている。

特に玲くんの顔が陰鬱で…。

そして目が合ったとき、鳶色の瞳は怯えたように揺らいで、あたしに何かを訴えていて。

だから…なんとなく判った。


"お試し"…

終わらせようとしてるの?


「まだ、続くね…」


終わらせないで欲しい。

だけど、けじめとして…終わらせないといけない。

覚悟…しないとな、フられる覚悟を。



『機は熟した。

全ては必然――』



誰もがその声に目を細める。



『例によって、君もしくはメンバーが捕らえられ、あるいは殺されても当局はいっさい関知しないからそのつもりで。なお、このテープは自動的に消滅する。成功を祈る』


ぶちっ。



画面の電源が切れた。


由香ちゃんが慌てて機械に飛びついたら、


「びっくりした…機械は動いてる。画面の電源だけが切れたみたい…って、は!!!? またついた!!!?」


ダッダッダーダッダダーダッダダー♪

ダッダッダーダッダダーダッダダー♪


また、ダース・ベイダー?


「なあ…そういえば、玲の携帯、櫂の着メロ…これだったよな」

「……うん」


あたしの知らない話だ。


そういえば…紫堂櫂はどうなったんだろう。

やけに…叫ぶ姿が思い出される。


だけど、玲くんを苦しませて反省ないまま、あたしは仲良くなりたくない。


『I'll be back』
(また戻ってくる)


ダース・ベイターの音楽の中、ターミネーターの有名台詞が現れた。



ダダンダンダダンッ♪

ダダンダンダダンッ♪


『Try not. Do or do not』
(やってみるではない。やるかやらないかだ)


ターミネーターの音楽で、ヨーダの台詞が現れた。


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