シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
その時、バタバタと音がして。


「久遠さま、久遠さま、久遠さま!!!」


飛び込んできたのは司狼。

今まで…何処に居たんだろう。


「外が――…

外が大変なことになってる!!!!」


そう叫んで。


「大変とは!!?」


蓮の声に、ただ司狼は興奮した様子で。



「とにかくおかしいんだ!!!

ありえないことになってるんだッッッ!!!

見に来てよ、外ッッッ!!!!」



それは異常事態なんだろうか。



「そういえば…

チビとアホハット、まだ戻らねえな」


煌の声に…

僕達は顔を見合わせて。



「旭くんなら応接間に居たよ?

目薬探してたけど…?」


芹霞がぎこちない笑いを浮かべた。 



渦中にあって…


だけど意味が判らない芹霞にとって、

僕達の今までの会話は不可解なことなんだろう。


何故櫂が荒れて久遠に殴られたのか。

何故僕が泣いているのか。


何1つ芹霞は判らない。


芹霞は櫂を見ない。

櫂も芹霞を見ない。


あんなに仲がよかった2人が、

今は顔をあわせない。


そうさせたのは僕。


やはり僕が元凶だ。


僕は…櫂や芹霞だけではなく、

皆の顔を見ることもできなかった。



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