シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
久遠が芹霞さんを肩に担いでこちらに戻ってくるのが見えた時、
「なあ…チビとアホハット、何処に居るんだ?」
煌が、警戒に満ちた声を出した。
「来る途中、応接間を覗いたんだけれど…散らかった凄い有様のまま、チビの姿もアホハットの姿もなかった。無論、洗面台にも何処にも居なかった。
あいつらは…何処に居る?」
「ねえ…」
それを受けたのは遠坂由香で。
「クマは…? それから、司狼が…いつの間にか居ないんだけれど」
「まさかさ…」
皇城翠の顔が険しいものとなる。
「1人ずつ、消えている…とか?」
引き攣った顔で空笑いをした、その時だった。
「あれは…"スカイウォーカー"ではないな」
櫂様が指差した先。
地上に着陸したヘリは左、右2方向に分かれていて。
左のヘリから降り立った1つの人影。
右のヘリから降り立ったのは、その影を先頭に…後ろについた集団。
どくん。
その集団の気配には覚えがある。
まさか。
まさか――
あの集団は。