シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
僕の…芹霞に対する想いは純粋だ。
それだけは信じて欲しいんだ。
好きだといいたい。
愛してるっていいたい。
いつまでも何処までも芹霞だけが好きなんだと。
それはブレていないのだと。
だけど…罪深い僕は、もう心を伝えられない。
櫂にとって大切なものを奪った僕は、同じ大切なものを失わねばならない。
芹霞を好きだという心を。
だから――…
0時が過ぎたら。
僕は一切を封印しようとしていたんだ。
ああ、覚悟して…離れようとしている時に、
何でこんな執着!!!!
カラーン。
「小娘。"お試し"の結果は、もう出したのか?」
久涅の…何かを含んだような声音が響く。
「ううん、まだ。0時ってことは…もう時間だけど」
どうやら芹霞は、久遠の手を口から外されたようで。
「だったら…玲。
今此処で、鐘が鳴り終わるまでに…
お前が本当に好きな女の愛を請え」
「え?」
「場を設けてやる。
凜に心が移ったのなら、それを小娘にきちんと言え。
もしそうでないならば――
堂々と潔く、小娘に愛を請え。
お前が小娘を大事に想うのなら、
それくらい出来て当然だ」
櫂の――前で?
芹霞が好きだと…言うの?
どんな顔で?
「やだ、何であたし…皆の前でフられないといけないの?」
拒絶したのは芹霞で。
ああ、その理由に…"僕"が騒ぎ出す。
何で…芹霞が僕にフラれるの?
そんな…
まるで僕が好きだだけれど、
叶わない…そんな言い方を何故するの?
芹霞のフラれるという前提が、
僕が違う女を好きになったからという…芹霞の勘違いからくるものなら。
絡んだ糸を元に直したら…
芹霞は…どう反応するんだろう。
僕だからという理由で、僕を弾いたのでないならば。
僕のことを少しでも…許容してくれる気があるのならば。
ボクハフラレナイデスムノ?
ああだけどそれは――
僕が持ってはいけない未来への期待。
ありえない、そんなこと。