シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
夢見る時間は、0時で終わる。
皆の前でフられるのは嫌だったけれど、何だかそうしないと玲くんの紫堂の立場が悪くなっていきそうで…それにあの紫堂当主の冷たい眼差しに、あたしは嫌気をさしていたから。
玲くんがまるでフラれて当然みたいな言い方。
玲くんがそんなはずないでしょうに。
だから、あたしは身をもって証明してやろう。
いいんだ、あたしは道化(ピエロ)でも。
さあ、もう…さっさとフッてくれ!!!
ドキドキとバクバクが止らず、
死刑を待つ心境だったあたしに向けられたのは――
「神崎芹霞さん。
僕は――
貴方のことが好きです」
凜ちゃんではなく、あたしを好きだという言葉。
嘘のような逆転劇に――
あたしの頭は真っ白になって。
「僕の――
恋人になって下さいッッッ!!!」
浮き足立った。
身の程知らずもいい処。
だけどあたしは…玲くんと離れたくない一心に、
初めて心が通い合った悦びに…
玲くんに…人生初の告白をしたのに――
「玲くん、玲くん!!!?」
「玲様!!!?」
玲くんが動かなくなってしまったんだ。