シンデレラに玻璃の星冠をⅡ


な…。

な……!!!



何…

どんな羞恥プレイ!!?


皆、見てるじゃない。

ねえ、何してるの、玲くん!!!?


玲くんはキスに懸命になって、まるであたしの訴えに気づかない。


「……はっ……んっ…」


玲くんの漏れる吐息の音が、何だか艶やかで。

それを受けたあたしの身体が、熱くて堪らなくなってきて…ぞくぞくしてきた。


呼吸が苦しい。

息すらさせてくれない。


思わず薄目を開けたら、悩ましい表情をした玲くんの顔があった。


"艶"に満ちた"男"の顔に――

あたしの頭はパンク寸前。


おまけに…鼻までむずむずしてきてしまって。


なけなしの矜持が、"公開鼻血"を断固拒否したから。



ダンッッ!!!



あたしは玲くんの足を踏み付けた。



「玲くん、な、なななななな!!!」


それしか言えない。


気づいて!!!

此処はS.S.Aじゃないということに!!!



「……はっ!!!」


さすがに玲くんも我に返り、この事態を把握したようで。


「あ……あ、ぼ……僕…」



白い顔を羞恥に赤く染め上げた玲くんは、そのまま…冷ややかな久涅と当主の視線に気づいて、引き攣った顔になる。


玲くん…。

観客はそれだけじゃないよ。


警護団…何人居るだろう。

ちらりと眺め見れば、目線を不自然に外す者多数。


………。


見 ら れ て た 。



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