シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
「というより、何でこんなものS.S.Aで売ってるんだろ。
紙袋にはちゃんとS.S.Aの判子押してるし…ギャグ?
それにしてはしっかりとした作りだよね。まるで本物みたい。
おぉ!!! 鍵まで付いてるよ。
どうするの、玲くん。部屋に飾るの?」
続けて押してある、薄れた判子に芹霞は気づいていないようだけれど…
『拘束館』。
…ソッチ系の店?
"楽しんで下さい"
S.S.Aって…どんな施設だよ。
――あはははは~。
鬼畜な氷皇の趣向か?
もっと健全でまともな施設を作れよ。
あのカップルも。
そんないかがわしい処で、怪しい土産なんて買うなよ。
普通の…何処にでもいそうな平凡なカップルだったのに。
ある意味…ショックだ。
「芹霞……」
芹霞は未だ手錠を眺めて、その使用用途をあれこれ考えているらしい。
頭に沢山はてなマークが飛んでいる。
「外界には、色々な人がいるね。
僕…引き篭もりすぎてたよ…」
そうぼやいた。