シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
・回顧 桜Side
桜Side
*******************
私は、許さない。
この怒りを何処にぶつければいいのか。
私は認めない。
目の前で怒った出来事を、どうすればなかったことに出来るのか。
あの時――
真紅の邪眼となった煌の前で、心臓発作を起こした玲様。
私達の肉体は…
極限まで使い切って襤褸雑巾(ぼろぞうきん)に等しかった。
何より玲様は、横須賀一帯の電力を糧として、緋狭様の金翅鳥(ガルーダ)を打ち消すほどの力を放たれた。
それは約束の地(カナン)での魔方陣破壊の時のように、人工衛星という…元々存在しうる強大な力を操るという種とは異なり、電力を自らの力として一から構築していく為、多大なエネルギーを必要とした。
それでなくとも玲様は、休憩なしに闘い続け、走り続け…緋狭様の相手をしてきたんだ。
玲様の心臓には、過度に負荷がかかりすぎたのだ。
倒れ込んだ玲様はニトロを口に入れると、青ざめた顔で…
「櫂、櫂……」
櫂様の名を呼び続けた。
思えば、玲様は予感していたのだろう。
櫂様の…切り札の決行。
否、予感ではなく確信。
櫂様の名前を口にしながら、私の手を払い…這うようにして櫂様の元に赴いた。
その時だった。
――あんたじゃなく、紫堂櫂を愛してる!!!
闇に響いた…芹霞さんのその叫びに…
玲様の動きも――
私も――
凍り付いた。
*******************
私は、許さない。
この怒りを何処にぶつければいいのか。
私は認めない。
目の前で怒った出来事を、どうすればなかったことに出来るのか。
あの時――
真紅の邪眼となった煌の前で、心臓発作を起こした玲様。
私達の肉体は…
極限まで使い切って襤褸雑巾(ぼろぞうきん)に等しかった。
何より玲様は、横須賀一帯の電力を糧として、緋狭様の金翅鳥(ガルーダ)を打ち消すほどの力を放たれた。
それは約束の地(カナン)での魔方陣破壊の時のように、人工衛星という…元々存在しうる強大な力を操るという種とは異なり、電力を自らの力として一から構築していく為、多大なエネルギーを必要とした。
それでなくとも玲様は、休憩なしに闘い続け、走り続け…緋狭様の相手をしてきたんだ。
玲様の心臓には、過度に負荷がかかりすぎたのだ。
倒れ込んだ玲様はニトロを口に入れると、青ざめた顔で…
「櫂、櫂……」
櫂様の名を呼び続けた。
思えば、玲様は予感していたのだろう。
櫂様の…切り札の決行。
否、予感ではなく確信。
櫂様の名前を口にしながら、私の手を払い…這うようにして櫂様の元に赴いた。
その時だった。
――あんたじゃなく、紫堂櫂を愛してる!!!
闇に響いた…芹霞さんのその叫びに…
玲様の動きも――
私も――
凍り付いた。