シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
――桜、
芹霞さんの絶叫。
玲様の悲鳴。
――万が一の場合…お前の動きが要だ。
私も…多分、何かを叫んだ。
――お前だけなんだ、動けるのは。
だけど身体が動かなくて。
指1つ…動かすことが出来なくて。
櫂様、櫂様!!!
桜は…桜は!!!
溢れる涙。
止まらなかった。
笑う櫂様との思い出が思い出されて。
私は――
櫂様と共に時を過ごしてきた。
中には…認めたくない現実を知り、共に苦しんできたこともあったけれど。
だけど思い出すのは、穏やかに笑う櫂様の顔のみ。
私にとって櫂様は…太陽だった。
崇めるにいい…命を差し出すに相応しい方だった。
私が生きて、どうして櫂様が!!!?
――玲だけではなく、多分煌も…動けないだろう。